新紙幣をなぜ発行するのか 対応の実際とキャッシュレスの関係

リニューアル

 2024年7月3日から新デザインの紙幣を発行しましたが、新デザインは20年周期で刷新されており、今回は「F券」と呼ばれるタイプになります。
 新デザインへの移行には様々なコストや問題がありますが、偽造対策や技術継承のためには必要不可欠な作業です。

 現在の日本では紙幣更新は20年単位となるため、偽造防止技術にかかわる技術者がギリギリ世代交代する前に新紙幣が発行されます。
 それ以上の期間になると技術の継承が止まったり、使われない技術ということで開発のノウハウが失われて次の紙幣に切り替わる際、膨大なコストがかかったりしてしまいます。

 これは航空技術で似たような話が出てきたが、紙幣などの偽造防止技術も同様で、定期更新そのものに意味があるというわけです。

 また、ATMの対応状況や紙幣流通量の変化についても触れていきます。
 特に注目すべきは「タンス預金」の存在で、キャッシュレス決済の浸透にも関わらず紙幣流通量は増加しています。

 この新デザイン紙幣は2020年発行開始の「E券」からサイズや厚みが変更されていないため、ATMでのファームウェア更新のみで対応が可能でした。

 ただし、全ての金融機関が新紙幣の発行開始と同時に提供開始したわけではなく、普段使いには向かないはずの一万円札が流通金種の主流となりつつあるという謎の現象も起きていることが分かりました。

 これは「一万円券だけが異常に増え続ける」という謎の現象がある一方で、キャッシュレス決済は地道に普及している事を意味します。

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